ミャンマーの権利団体、スチール労働者の訴えを検証

ミャンマー人権委員会は、労働者を虐げているとしてスチール工場を酷評した。
従業員からの訴えを受け、同委員会メンバーはヤンゴンのHmawbi地区にあるYar Shinスチール工場を調査し、労働者が伝えていた悲惨な労働環境を確認した。
「労働者が時間外労働をしても残業代は未払いであり、工場は安全基準を満たしていないことが発覚した」とミャンマー国家人権委員会(MNHRC)の調査員Zaw Win氏は2016年3月2日に発表した。「私はまた工場が仲裁評議会の決定に背いていることも確認した」という。
1日3,600チャットとする最低賃金の導入後の昨年12月に仲裁評議会は、工場は食事手当て及び時間外手当を労働者に支払わなければならないと決裁している。
「地区当局と一般労働法は、工場オーナーが評議会の決定に従うよう監督するには弱い」とZaw Zaw氏は考える。
また労働者は保護具の支給がなく有害な環境であることを訴えている。評議会の調査時には、煙突が短いため工場内に鉄加工時の油煙が充満していることが確認された。また労働者は手袋やマスク、保護服などを着けずスチールをカットしたり熱した金属を持ったりするなど危険を強いられていたという。
労働者が保護具を要求すると、工場側は労働者自身の負担で購入するよう告げたという。
工場のある労働者は、従業員が10時間働いても残業代が出ないことが常であったと昨日ミャンマータイムズに語った。
「私たちは朝7時から夕方5時まで働き、安全に必要な保護具も購入しなければならない。現在は全労働者が2つの煙だらけの工場に入れられている」とYar Shinの従業員は述べた。
MNHRCの調査官は、この問題を解決するために労働省に調査結果の報告に加え、改善のための提案を行ったと述べた。
初めにMNHRCに酷使を訴えたHmawbi地区労働団体のメンバーNyi Su氏は、MNHRC、労働省、労働団体の職員が労働者の訴えが事実であると確認したにも関わらず、オーナーは対応を怠っていたという。
その原因は当局が所有者に対して行動を取りたがらなかったことにあると彼は考える。
工場を訪れたNyi Su氏によると「同工場は労働者を利用している」という。「オーナーは16人の労働者が必要な工程にわずか8人しか配置しておらず、従業員に1日10時間働くよう要求している」という。
労働省の工場及び一般労働法部門の局長Win Shein氏は昨日、スチール工場の問題は調査中であり、対処する予定であると述べた。
昨日の取材では、工場のオーナーであるKyaw Win氏は訴えに対するコメントを拒否した。
約100人の労働者がYar Shinスチール工場で働いている。
(Myanmar Times 2016年3月4日版 第4面より)