ミャンマーの内陸水運、将来に不安

赤字続きの内陸水運局は、陸路や空路による移動の普及や気候変動による降雨の減少によって河川経路の変更を余儀なくされたり、国内水路の多くが使用できなくなってきていることから数ヶ月以内に70%以上のサービス削減をはかり閉鎖の危機を避ける模様だ。
新政府に提出された報告書によると同局は過去10年間で約126億チャットの損失を出しており、現在は1か月当たり約4億チャットの損失を出している。民間セクターとの競争や組織の近代化は、政府の支援と資金なしでは難しい。
Min Kyawt Nyi Nyi Aung氏によると、昨年同局は2010年には53経路あった航路をヤンゴン-ダラ間のフェリーを含めた14経路に削減した。このうちいくつかは民間事業者が引き継いでいる。
何か行わない限り、2840人の職員と4569人の年金受給者を抱える同局は数カ月以内に閉鎖されるという。
2010年以来、内陸水運局の役割は車の普及と安価な国内航空線の登場により小さくなっている。
河岸維持の資金が削減されたことにより、自然環境の悪化や水流の変化、砂洲の形成などにより水路破壊が進み、古くから使われている経路が使用できなくなったと同局広報官Htain Lin氏は述べた。
彼によると現在は、雨季の中でも最も雨量の多い3か月間に限って提供されるサービスも出てきている。船脚が1フィート以上必要な船が運航できないような川もあり、乗客や貨物を載せて出航することが出来なくなる。
「川は昔よりも浅くなっている。私たちの船は喫水と動力に制限があり、乗客と貨物を載せた場合、各港での荷降ろしに時間がかかってしまう」と彼はいう。
昨年同局は、陸上輸送の改善により水運の需要が減ったとして、三角州地帯、エーヤワディ、Chindwin、Thanlwin川、ラカイン州を網羅する経路のうち6つを廃止した。
職員の話では、政府の支援は不安定で、木材輸出、建設、国境貿易に対する曖昧な政策が同局の材木や砂利、農産物の輸送力に影響する。
同局は1995年から新しいボートを購入しておらず、339以上の船が購入から60年以上経過したものだと報告された。浅橋も同様に老朽化しており、近代的な機械化も後れ、積み下ろしは手動だ。
アジア開発銀行、日本国際協力機構、世界銀行は同局の人員過剰を指摘し、土地や建物などの資産を年金給付の資金となるよう営利化すべきと提案した。
Htain Lin氏にとって「民間企業は乗客と貨物用のボートを分けており、私たちよりも広域で活動できる。速いサービスを提供し、高い料金を取ることもできる。国有セクターは衰退している」。
(Myanmar Times 2016年5月4日版 第9面より)