中央銀行が違法な外国の口座を摘発

民間金融機関は、中央銀行から、上級職員と役員が海外で保有している外貨預金口座の詳細を開示せよとの指示を受けたため、その対応に苦慮している。
中央銀行の外国為替管理部は、先日、ミャンマーの金融機関を呼び出した後、12月8日にU Set Aung副総裁が署名した指示を示した。
この指示によれば、残高を含めたすべての海外外貨預金の詳細につき、12月15日までに提示する必要がある。しかし、民間金融機関は、「銀行に関連する取締役会、顧問および役員」に、中央銀行が出した指示どおりにすべての海外口座の詳細につき開示させることは不可能であると述べている。
Kabar Yadanar 銀行の副社長U Hla Nyunt氏は、Kabar Yadanar 銀行に開設された海外の外貨預金の詳細は確実に開示できるといった。
しかし幹部が他のミャンマーの銀行や外国の銀行に口座を開設しているかどうかを確認することはできないと同氏は述べた。
ミャンマー市民銀行の統括部長U Myint Win氏は、ミャンマー・タイムズ紙に対し、同様の懸念を抱いていると述べた。
「役員と取締役会に口座を提出するように指示する書面が当局から届き、現在掲示板に張られています。しかし、他の銀行で開かれている口座の詳細はわかりません。我々は何もできず、中央銀行にこの問題について相談しました。」と同氏は語った。
また、規制当局の指示は、銀行に対して、個人であれ企業であれ顧客に、外国銀行口座を中央銀行へ報告させるように求めるものであった。
外国為替管理部のU Win Thaw事務局長は、2012年の外国為替管理法の下で合法化される前に、数名のビジネスマンが外国銀行口座を開設したと語った。
外国為替管理法の第14条では、外国口座を開設するための規則とその口座がどのような活動に使用できるのかについて定めている。第15条は、このような口座を持つ者は誰もが「中央銀行に報告しなければならない」と規定している。
「一部の国民は外国の口座を(合法化される以前から)秘密裏に開設していた。彼らのほとんどはシンガポールでビジネスを行っている」と同氏は述べた
シンガポールで未申告の口座を持つミャンマーのビジネスマンが、シンガポール市民に頼んで、ミャンマーの会社の取締役会に名前を連ねさせているケースもあるという。これは、ミャンマーからシンガポールの口座への送金が、シンガポールの市民に送金されたように見せかけるのに使われる。
中央銀行の指示は、不法に銀行口座を開設した人々を明らかにすることを目的としていると彼は付け加えた。
「許可されていない口座も正直に申告されれば合法になります。口座情報が中央銀行に送られても心配する必要はありません」と述べた。
元ミャンマーオリエンタル銀行の元総裁であり、KBZ銀行取締役会の非常勤理事であるU Mya Than氏は、この指示は、輸出などの外貨収入を監視するための当局の努力の一部でもあると述べた。
中央銀行は、米ドル為替相場の急激な上昇の中で、何ら有効な対策を打ち出せていないとビジネス界から非難を浴びている。昨日の米ドル基準レートは過去最高の1330チャットを記録した。
U Set Aung氏は、12月1日、ミャンマー商工会議所連合との会合で、ミャンマーへの輸出収入の弱い部分を指摘した。
U Set Aung氏とU Win Thaw氏は、当局が外国為替収入の監視を強化し、それらが適切にミャンマー送金され、公的な銀行システムによって保持されていることを確認する必要があると口々に述べている。
また銀行は、中央銀行の規制では外貨の両替がミャンマーの銀行で行わなければならないとされているにも関わらず、輸出入企業はしばしば外国銀行口座を含むミャンマーの銀行を通さない形での為替取引を行っていることにも不平を漏らしている。
数名の銀行家は、中央銀行の論理を理解すると発言し、人々が口座を明確にすべきであることに同意した。
匿名を希望するミャンマー東部銀行の外交部関係部の関係者は、「(当局は)、一部の輸出収入が海外口座を通じ海外の企業に移転し、ミャンマーに戻らない状態になっていることを確認したいのだろう。我々は中央銀行の指導を受けて、できるだけ多くのアカウントを提出している」と述べた。
しかし彼も同業者と同じように外国銀行で開設されている口座の詳細を知ることは不可能ではないかと懸念している。
「そのような場合、私たちは何もできません」と彼は言った。
アマラ銀行最高経営責任者のU Than Win Swe氏は、ミャンマー・タイムズ紙に対し、中央銀行はいくつかの民間金融機関によって提起された問題に基づいて、さらなる指示を出そうとしているのではないかと述べた。
「この問題に関する詳細とさらなる指示を、近々中央銀行が発表すると聞いた。」と述べた。
U Win Thaw氏は、「口座を申告するために設定された1週間という期間は短すぎた。民間金融機関からの苦情によっては、期間は延長されうるだろう。」と述べた。
「最も重要な問題は、(人々が)法を遵守する必要があるということだ。」と彼は語った。
中央銀行は、遵守しなかった者に対しては、法第38条および第42条に基づいて措置を取ると述べている。これらの条項は、「免許なしで外国為替活動に従事する」者は、最高3年の懲役刑、罰金及び資産の没収罰を受けると規定している。
(ミャンマータイムズ2016年12月14日号第8面より)