農業部門及び中小企業、民間銀行融資を受ける

ミャンマー中央銀行は地元の民間銀行に対し、中小企業(SME)部門と農業部門に最低限の融資を義務づけていると、中央銀行局長Win Thaw氏はミャンマータイムズに語った。
民間セクター開発委員会(PSDC)により開かれた会議で中小企業部門と農業部門のメンバーは、民間銀行がこれら部門に対し融資を行わないという問題を提起した。同メンバーは、ミャンマー経済が発展するには、中小企業と農業が成長する必要がある。融資は成長に不可欠である。
そのため計画財務省、中央銀行、商務省の役員は、民間銀行が2つの部門に融資を行う要件を設定する必要があると判断したとPSDCの副会長でもあるWin Thaw氏は話した。
民間銀行は、中小企業と農業部門のため商業融資の最低限の割合を捧げる必要があると理解している。
「民間銀行は中小企業と農家のため特定の融資最低限率を付与しなければならない」。
「同時に、個人申請者に応じて融資率を13%以上にすることが許可された。これは民間銀行が融資の失敗により、ひどい打撃を受けるためである。担保もなく低金利で貸し出すことは、現実的ではない」とWin Thaw氏は説明した。
現在融資は、国営中小企業開発銀行によって、中小企業部門に提供されている。非常に少ない額のみ、現地民間銀行により提供されている。
農業部門は、国営のミャンマー農業開発銀行(MADB)が融資を提供している。1990年から2000年の間、民間銀行は農家に融資を提供することを許可するよう中央銀行に対しロビー活動を行っていたが、MADBが既に存在していたこともあり農業部門への関与を禁止されたと、ミャンマー中央銀行の副頭取を引退し現在はカンボウザ銀行のコンサルタントを務めるThan Lwin氏はいう。
計画財務省大臣Kyaw Win氏は、UMFCCIで行われた起業家との会議で先週、民間銀行は農業部門への参入を許可されると述べた。
MADBは一部の作物の費用をカバーするための融資の提供のみ認められており、業界全体を支援するには十分である。そのため政府は、民間銀行の部門発展への関与を奨励する。
「私たちは民間銀行が農業開発に独自のペースで参入することを許可する。特定の作物の費用に対して与えられる融資は、部門の発展には十分でない。またMADBだけでは、農業開発に必要な事業を実施することができない。農業は、民間銀行が貢献することを許可されたら急速に発展するだろう」とKyaw Win氏は話した。
過去では、民間銀行は担保要件に基づいてのみ融資を行うことができ、中小企業や農業部門に融資を提供することはなかった。
現在公開銀行は中小企業に8.5%の利子で融資を提供しており、農家には8%で提供している。だがこれら2つの部門に民間銀行が提供している商業融資の利子は13%である。利子を13%から引き下げる必要がある場合、銀行は難しい立場に陥ると大臣は付け加えた。
「民間銀行にとって担保要件がなく低利子なのは困難である。これらの困難が原因で、民間銀行は同2つの部門に対し融資を提供することはなかった」。
国家経済は大きく農業に依存しているが、民間銀行は同部門に関与していない。MADBとは別に、民間銀行部門が与えている融資は1%もない。そのため現政権は状況を改善する方法について協議している。
財務省により提供されているマイクロファイナンスローンのうち、30%が中小企業や農業で利用されている。PSDCのメンバーは、中小企業に対し8.5%、農家に対しては8%と国営銀行により設定された融資金利に固定するよう民間銀行に要請することは合理的でないとの見解を示している。民間銀行は預金金利を8%で提供しているため、融資金利を低すぎる額にすることは出来ない。メンバーは現在、2つの部門に対し銀行が提供することができる融資率を検討している。
2016年金融法で貸出制限が緩和され、担保は融資の際に必要なくなった。ミャンマー銀行は事業の信用度に応じて融資を与えることができる。同法は、中央銀行による銀行活動の制限を緩和していると述べている。しかし、ローン利息が13%を上回らないようにすることも要求されている。
「利息は13%を超えることは出来ないという規則がある。現時点で中央銀行はこの見直しと、民間セクターと銀行双方にとって都合の良い合意ができるよう計画している。私たちはどのような種類の融資が13%以上の利息で提供でき、どの程度の融資がどのような目的のために提供できるのか検討している」と局長はいう。
人々が融資の返済に失敗した場合、銀行は顧客からの預金の支払いで困難に遭遇する。これは金融システムと国家経済にとって有害である。そのため銀行融資を求めている人々は、強力な保証を提供することが必要である。行政手続きによれば、民間商業銀行により農業へ貸出できる金額は少額であると、Co-operative銀行の副総裁Thein Myint氏は示唆した。
Than Lwin氏は、民間銀行は建物や住居などの物件を担保として融資を提供するという。借手がお金を返済できない場合、銀行がお金を失うことは必須である。彼はまた、政府や中央銀行は民間銀行が農家に融資を提供する前に保証を発行することが必要であり、農家はその後民間銀行からよりも銀行からの融資を受けて低利息の恩恵を受けることができる。
「民間銀行は融資を行う前に担保を要求する。農家から動物、農地、土地を押収することは良いことでないが、これらは担保として入れられている。政府はどのような保証が与えられるべきか協議を行うことが必要である」。
「例えば、農業灌漑省が融資の保証を提供している場合、農家が融資を返済できなかった場合どうなるのか。政府が保証することができるのか。政府が保証することができる場合、民間銀行の融資がより容易になるだろう」と彼は付け加えた。
「農業融資に関して、Whne Gyi Choteシステム(人々のグループの中で融資リスクを分散させるミャンマーのシステム)を用いて、関連する委員会により発行される保証を手配したり、民間銀行の貸出の安全性を強化するための適切な方法を手配する」とWin Thaw氏は述べた。
(Myanmar Times 2017年3月1日版 第7面より)