ミャンマー投資委員会(MIC)は、今、無責任な投資家を排除する委任を受けた

国際裁判所(ICJ)によると、新しい投資法とそれに対応する2017年4月に施行された投資規則の下、ミャンマー投資委員会は、人権を侵害した投資家をいかなる管轄区域においても、排除する権限を与えられた。
ミャンマーにて、ICJの法律顧問として活動しているDaniel Aguirre氏が、ミャンマータイムズに対し、政府と市民社会の両者が、責任ある投資を押し進める機会を利用し、MICが無責任な投資に取り組むための委任権を行使できるよう保障するため、公聴、法的枠組み、その他の手段を利用すべきであると語る。
「2017年の投資規則により、MICは投資家が、責任ある投資へ専心を示しているかどうか検討する役割を担うこととなった。MICは、投資家の良い性格、評判を考慮することで、投資家や、投資の利益に関与する組織が、ミャンマー、又は他国の管轄におけるの法律に違反していないか知ることができるかもしれない」と、彼は述べ、投資規則は明示的に、環境、労働、税金、反賄賂、汚職、人権法について触れていると付け加えた。
「市民社会は、責任ある投資家のみ、投資法による保護から恩恵を受けるよう支援すべきである。」
「これが意味するのは、もし、投資家が犯罪に手を染めていること、環境保護基準に違反していること、人権侵害に加担していることが分かった場合、MICは彼らに対し、ここで投資を行う権利を与えてはならないということである。
もし、そのような会社が、投資許可を申請するならば、市民社会は上記に述べたような記録がMICの目に触れさせるようにし、許可に対する拒否を主張すべきである。また、MICも同様に、申請者に関する独自の調査をすべきである」と彼は説明した。
投資法の第二章にて述べてあるよう、新しい法律の目的は、「ミャンマー連邦及び、その市民の利益のため、自然社会や社会環境に害を及ぼさない責任ある投資事業を進展させること」である。
法律内において、「責任ある投資家」とは何を含意するのか明確に定義されていないものの、投資規則64項(d)において、「いかなる環境、社会への潜在的悪影響を制限することなど、責任ある、持続可能な方法で投資を行うことへの専心を示す投資家」との基準が示されている。
同項では、また、MICは、「もし投資家が、環境保全行動、環境保全政策や人権の遵守、及び自然資源、廃棄物管理に対し、効果的な技術を応用すること」に専心を示さなかった場合、投資案件を拒否する権限を持つと明示的に述べられている。
投資法とその規則は、特別経済区内における事業を除き、内資、外資両方の投資に適用される。
彼によると、市民社会は、MICに対し、積極的に、申請中の投資家に対する情報を、彼らに考慮してもらうために、提供しなければならない。そうすることによって、投資法によってもたらされた保護から、責任ある投資家のみが恩恵を受けることを保障する手助けになるだろうと彼は述べている。
MICは、環境、地域社会に多大なる影響を及ぼす、国内外の多くの、未来の投資家に対し、許可、保証を発行するゲートキーパー(内部と外部を情報面からつなぎ合わせる人)であると彼は述べる。
多くが、実際に相談がどのように行われるかに大きく左右されるものの、MICは一般市民の参加、広聴を促進していかなければならない。さもなければ、委任委員会が、利害関係者や影響を受ける人々のアドバイスを請わないものになってしまう危険性が生じる。
利害関係者である市民社会は、案件を提出した者の、事業の評判に関する報告を提出する良い立場におかれている。MICは、投資案件の精査においての、知識ベースを広げるために、許可の決定、投資により影響を受ける利害関係者や人々から、投資案件に関し、自発的にもたらされた意見を考慮するべきである。
「投資家が、委任委員会に対し、自身の評判や性格等のすべての情報を提供すると仮定するのは、甘い考えであろう。利害関係者やMIC の決定により影響を受ける人々の、価値ある参加を促進するため、投資案件に関するタイムリーなお知らせを英語とビルマ語の両方で受け取れなければならない。」と彼は言う。
彼が付け加えることには、司法審査も、MICが無責任な投資を防止するための委任を行使する上で、別の重要な手段である。
「法律の保護的側面が、効果的であることを保障するためには、市民社会は、司法に積極的に働きかけ、MIC等の行政機関が、合理的かつ法律に準拠し活動しているか審査する権力を行使しなければならない。もし、MICが投資規則に明記されている要件に満たない会社に対し、許可を与えるならば、彼らの判断は、司法の審査の下におかれる。」
「ミャンマーの裁判所は、特に憲法令を適用することを通し、行政判断を審査する権限を持っており、公的責務の遂行を確実にし、MICのような公的機関により既に通された違憲な法令を廃止させるためのMandamusや Certiorariの令状を、法律家が利用することができる。」と彼は言う。
Melissa Crouch著“Access to Justice and Administrative Law in Myanmar“のレポートに基づくと、“Mansamus”は政府機関に何かを実施することを強制できる命令を示し、“Certiorari”は打ち砕くための命令、つまり、問題とされている政府機関の判断を取り消すことができる命令である。
彼はまた、市民社会は、国内外の、潜在的違法投資家に対する関心を引くことを目的とした公共擁護運動を実施するべきだとも述べている。
(Myanmar Times 2017年5月29日版 第7面より)