銀行は貸出リスクを減らすため、当座貸越を期限付き貸出に転換する

ミャンマー中央銀行(CBM)は金融業界のリスク上昇に伴い、現地銀行の不良債権の公開を管理するための新たな規則目標を打ち出した。
11月のCBMの指示によると、銀行は2017年7月7日時点の未処理の当座貸越全てを、2018年3月31日までに最高3年を満期とする期限付き貸出に転換しなければならない。銀行はまた取締役会により承認された期限付き貸出管理枠組みを、CBMに提出しなければならない。
「ポイントは、国の銀行の当座貸越総額を記録し、それらを減らすことである。CBMはまた、顧客に提供されている貸出金の範囲を調査したいと考えている」とCBMの職員は述べた。
更にCBMは、現在の大規模公開制限を超える借り手に対するすべての当座貸越は、大規模公開規制に従い健全な制限内で減らさなければならない。
さらに、銀行は最低50億チャットまたは主要資本金の10%のいずれか低い方を全当座貸越に計上するリストを提出しなければならず、これら当座貸越のそれぞれが不良債権かどうか示さなければならない。
銀行はまた、関連当事者に拡大される彼らの帳簿の不良債権のいずれかを記入する必要があり、それであれば関係を説明しなければならない。
「権利により、銀行は取締役員や家族に貸し出してはならない。しかしいくつかの銀行は未だにそれを行っている。これは銀行にとって健全なリスク管理慣行ではない。そのため、CBMは関係当事者への貸し出しの削減を望んでいるのだろう」とGIZの大手金融ディベロッパーSan Thein氏は述べた。
全ての当座貸越を貸し出しに転換する必要はない。指示によると、回復不可能と予想されるものは転換するべきでない。
「指示に記載されているこのような当座貸越について、銀行は民事訴訟を提起するなど、資金を回収するための通常手続きに従わなければならない」とCo-operative銀行の会長顧問Pe Myint氏はいう。

銀行改革
最終的なCBMの目標は、当座貸越の総額を、2018年7月6日時点で銀行の総未処理貸し出しポートフォリオの50%、2019年7月6日時点で30%、2020年7月6日時点で20%に引き下げることである。
今月早期に職員及び銀行家は、ミャンマーの90億米ドルの貸出プールの約70%は、無期限に繰り越された当座貸越の形態であるとロイターに話した。これは、2011年の15%と比較して、2016年のGDPの55%が、ミャンマーの総貸付額へと飛躍したことに寄与している。
そのためCBMによる動きは現在、国際銀行と比較して銀行システムが依然として規制されていないことを考えると、ミャンマーの銀行がリスクの高いローンの公開をより良く管理するよう強制しようとしている。
実際、国の銀行は定期的に総貸付金の5%から6%の不良債権比率を報告しているが、CBM副総裁Soe Thein氏はロイターに対し、指数は現実の状況よりも低いとし、中央銀行は依然として業界の不良債権の規模を評価する必要があると話した。
一部の銀行職員は、この動きを歓迎しているという。「当座貸越はミャンマーで信用の手段になっている。それは良い慣習ではなく、国際的な基準でもない。銀行業界はCBMによるこの動きを歓迎するべきである」とCBMの元副総裁でありカンボウザ銀行上級顧問のThan Lwin氏は述べた。
国際銀行では、当座貸越は短期貸付として扱われ、元本と利息の両方が3カ月以内に支払われる。「ミャンマーでは、当座貸越は少なくとも1年間は無期限である。これは銀行が互いに競争するよう10年前に設定されて以来、標準的な慣行となっている。この慣行を変えることは良いことである。当座貸越を期限付き貸出に転換することは、銀行家と借手の双方にとって良いことである」とThan Lwin氏は述べた。
依然として、銀行職員は必要な当座貸越を期限内に期限付き貸出に転換することは困難だと予想している。「私たちは2018年3月31日までに従わなくてはならない。その前日までに準備し、提出することは銀行にとって困難である」とPe Myint氏は話す。
CBMの後に来た11月の指示は、9月に土地や財産の形態で保証を提供できる者にのみ、貸出制限を緩和する非担保ローンを認めると述べている。ロイターのインタビューでSoe Thein氏は、これが承認されるまでの時間枠組を提供しなかった。
しかし彼は、銀行が高いリスクの貸出を展開する意欲が高まるよう、CBMは最大貸出率を現在の13%から16%に引き上げる予定であると述べた。
(Myanmar Times 2017年12月1日版 第8面より)