ホテル業界と環境の調和目指すミャンマーの計画

2年前に始まった民主化という平和への移り変わりから新しく生じた政治的安定性はミャンマーのホテル業界に観光客が押し寄せる、にわか景気をもたらした。しかしながら観光業を発展させるべく宿泊場所を提供するホテルをより多く建設する流れが加速するなか、環境そのものや環境保全に関連した問題にしっかり対応できず、その場しのぎの対策を行った。しかしそれを機にホテル業界が変わりだした。当局はホテル業界が直面している、例えば下水設備や廃水処理のような環境問題をさらに詳しく考え始め、環境保護論者らもより厳格な規則の施行を求めた。ミャンマーには1590軒のホテルとゲストハウスがあり、合計部屋数は69,730にのぼる。ホテル観光省によると、多くのホテルとゲストハウスが観光客に人気の場所にある。例えばヤンゴンには380軒、マンダレーに201軒、バガンに85軒、ネーピードに64軒、インレー-ニャウンシュエには104軒のホテルとゲストハウスがある。さらに多くの観光客が来ることを見越して、ミャンマーの観光業が発展していない地域のいたるところでより多くのホテルが建設中である。しかし、それら合わせて1500以上のホテルのうちタイのチェンマイで最近開催された、ASEAN観光フォーラム2018においてグリーンホテルアワードを受賞したのはわずか5軒である。その5軒はピンウールウィン、カロ―、ニャウンシェ、グエサウン、コータウンにある。この数は他のASEANの国と比べると最悪である。その表彰の主催者はホテルの環境適合性を強調した。その表彰の基準として下水管理と処理、ホテル運営にあたり環境的な政策や活動、環境に優しい商品の使用、地域社会や地域団体との協力、固形廃棄物の管理、有毒で化学的な物質の廃棄処理が含まれる。ミャンマーのホテルでASEANグリーンホテルアワードのこれらの基準を満たしたのは5つだけであった。ホテル観光省の長官であるU Myo Win Nyuntはホテル観光省にホテルの廃棄処理や下水処理設備を監視するチームがないことを認めた。 「私たちは主にホテルのサービス面をチェックしていた。下水設備はしていなかった。また、再度下水設備をチェックするという考えがなかった。しかし、地方自治体はこれらの細かい点をチェックしているはずだ。」と、彼は言った。実際、出張所はホテルがより環境に優しくなるために行動し始めた。マンダレーにあるホテル観光局は2017年12月、バガン-ニャウンウー地域にあるすべてのホテルに対し、できるだけ早く水質浄化装置を取り付け、下水処理施設を建てるよう指示し、それができなければそれらの認可の取り消しに直面する指令を布いた。また、その指令はそれらの認可の取り消しとは別に違反者に対して適切は罰則を行うと警告した。下水処理設備は市場価格で500万チャットから3000万チャット(3761~22,569ドル) 要する。水質浄化設備の価格はデザインと部屋数、ホテルの大きさ次第である。開発者はこれらの設備を取りつける前に最初の環境管理計画を作成しなければならない。その計画を作成するとすぐに、ホテルは作成した計画を資源と環境保全省傘下の環境保全部(ECD)に提出しなければならない。もしESDが定めた基準と要件を完全に満たしていた場合はECDはそれらの提案を許可する。ECDの許可をもらうためにはホテル運営の免許と同様にホテルの建築許可も必要である。しかしながら、環境保全部局次長のU Sein Htoon Linnは適切な下水処理設備がなくても建てられたホテルがあったことを認めた。
「建物の所有権はミャンマー投資委員会に拠り、委員会はECDに具申していた。しかしながら、どのホテルが環境マネジメントシステムを適用しているかどうか私たちは知らない。」と彼は言った。環境保護論者でミャンマーウォーターエンジニアリングプロダクツ株式会社取締役であるU Khin Maung Winは政府にホテル運営の厳しい規制の施行を求めた。
「各ホテルは環境マネジメントシステムの報告書に追いつく必要がある。そのためECDはその報告書をよく調べるだろう。そしてホテル観光省はホテルが認可を申請、あるいはその認可を更新する際環境マネジメントシステムを実施するかどうか判断するだろう。」 彼は言った。
(ミャンマータイムズ 2018年2月5日 第4面より)