現地銀行、経済の低迷の中ミャンマー中央銀行の規制を満たすため奮闘する

現地銀行は、成長の低迷期に外国直接投資をより惹きつけ国内金融機関を近代化するため2017年7月にミャンマー中央銀行(CBM)が設定した新たな規制を満たすことへの困難に直面している。
新金融機関法のもと、ミャンマー中央銀行は銀行に高い自己資本比率の維持、単独の借入人への貸出エクスポージャーの制限、ローン及び前貸しの再分類、当座貸越ローンの回収を命じた。国際通貨基金の支援を受け作成された規制は、国際バーゼルⅢの基準に沿っている。
「ミャンマー中央銀行が課す規制は、ミャンマー金融業界を国際金融業界と調和させることを目的としている。非常に優れた規制のため、実施すべきである」とカンボウザ銀行のシニアアドバイザーであり元ミャンマー中央銀行の副総裁であるThan Lwin氏は述べた。
しかし銀行は今のところ、これら要件を満たすことに奮闘している。「ミャンマー中央銀行は、銀行に国内経済の現在の現状を踏まえ規制を順守するには非常に少ない時間しか与えていない。彼らにとって非常に困難である」とThan Lwin氏は付け加えた。
これら規制の中で最も厳しいのは、6か月の期限内に全ての当座貸越を長期ローンに変更することを要求するものである。CBMは11月に同規則を緩和して以来、銀行が最大3年以内にローンブックの過半数を占める無担保ローンを回収できるようにした。

適切な時ではない
同動きにもかかわらず、銀行は、多くの借入人が経済の低迷を理由に、未だにローンの返済ができないという。ミャンマーでは、元本の利払いが行われている限り、借入人は当座貸越与信枠または貸手が無期限に転化したローンに頼っている。ミャンマーの90億米ドル以上の貸出プールの約70%は、当座貸越ローンの形であるとロイターは伝えた。
しかし現在銀行はCBMの要件を順守していることを保証するため、1年以内にローンを返済するよう顧客に圧力をかけている。これは、需要の減少、財政支援の欠如、不動産価格の下落により事業が既に制約されている時に、規制が経済成長をさらに阻害する懸念を引き起こしている。
「現在、企業は拡大のためさらなる財政支援を必要としている。代わりに、銀行は私たちに3~6か月以内にローンを返済するよう圧力をかけている」と現地事業家Nyan Thit Hlaing氏は話す。「これが続けば、私たちは事業計画を実行することができなくなる。代わりに、私たちは担保を諦めることを強いられるだろう」。
「ミャンマー中央銀行の規則及び規制は非常に優れているが、まだ強制するのに適切な時ではない。この環境では、銀行はローンの返済を支援するため顧客と協力し、良い関係を築くべきである」と国民民主連盟経済委員会のメンバーYe Min Oo氏は話した。

迫りくる期限
しかしCBMの他の順守すべき規制の期限が迫っていることから、銀行は借入人へ支払いの圧力を強める選択肢しかない。例えば3月31日までに、銀行はさらなる許容限度のためエクスポージャーを下げる計画と共に、大規模エクスポージャーの借入人リストを提出しなければならない。
「当座借越の緩和以上に、CBMは3つの他の規制を緩和していない。CBMと現地銀行間の困難のバランスをとる解決策が見出されるべきである。銀行が長期間に渡り規制を順守できるよう改正されるべきである」と経済学者Aung Ko Ko氏は述べた。
(Myanmar Times 2018年2月12日版 第7面より)