外国酒の禁止後、混乱が現れる

ヤンゴンのダウンタウンにある酒屋では、ウィスキーやワインのボトルが飾られている。詳細をみると、ワインはアルゼンチンからニュージーランド産までが販売されているのがわかるが、ウィスキーはミャンマーで生産されたものだけが入手可能である。
「外国酒は販売を許可されていないため、飾れない」と同店の販売員はいう。「しかしあなたが望めば、輸入酒を入手することができる」と彼女は小声で話した。
市の食品医薬品局、内国歳入国、消費者局、貿易局が9月に小売、卸売業者に対し輸入酒の販売を禁止した時、ヤンゴン全体で同様の件が起きた。
混乱が残る
しかし貿易業者と一部の政府職員は、禁止令が、小売業者に様々な種類の輸入酒販売を許可するFL-12ライセンスを発行する内務省による規制と矛盾するため、混乱すると述べた。
これは植民地時代からの慣習であると、ヤンゴンカマニュ地区の管理者Thein Zaw Oo氏はいう。
特別商品税法では、外国酒、ビール、タバコの輸入及び販売を禁止している。2015年に商業省(MOC)はワインの輸入に関する規制を解除したが、酒及びビールは未だに違法である。
「これは長年にわたり続いており、誰もがこれは法律により禁止されていることを知らないとは言えない」とMOCの常任副書記官Khin Maung Lwin氏はミャンマータイムズに語った。
「空港の免税店及び一部のホテルのみ輸入酒の販売が許可されており、これらは外国人観光客を対象としている。しかし国内での流通及び販売は違法であり、私たちは措置を講じるだろう」と彼は述べた。商品が見つかった小売業者に対する罰則は、3年間の懲役及び商品の押収である。
しかしThein Zaw Oo氏によると、2013年まで当局はFL-12ライセンスの発行を続けていた。同局によると、2013年までに毎年2,000以上のFL-12ライセンスがヤンゴン地域で発行され、毎年34億チャットの手数料がもたらされていた。当局は2013年、申請が急増した後ライセンスの発行を停止した。
一方、酒は販売時にも税金が徴収される。「そのため一部の酒小売業者は、以前輸入したウイスキーを販売していた。FLは実際、外国酒を意味しているので非常に混乱する」と彼は述べた。
法の施行
しかし法律に基づき規定されているため、MOCの輸入酒禁止の強制は、ライセンスよりも優先されると予想される。
ヤンゴン消費者局ダイレクターMyint Cho氏は、禁止措置を実施するための原動力は、現地店舗での違法輸入酒の販売に関する国内生産者からの苦情であるという。
この動きは、違法外国酒の輸入に対する必要な取り締まりを高めている。「違法に輸入されたアルコールは、政府の税収を失くし国民の健康を害する可能性がある」と彼は先月酒小売業者との会議で述べた。違法酒は税金を逃れるため安い価格で販売することが出来、現地生産者を衰弱させる。
「私たちはどのくらいの量が国に入っているのか調査する」と彼は述べ、当局は輸入酒を販売している者を告発するだろうと述べた。
特に当局がFL-12ライセンスの発行を中止してから、闇市場が現れた。「ライセンスの発行を中止してから、人々は闇市場で多額のお金を支払うようになった。小売業者によると、過去の正式なFL-12ライセンス料は150万チャットだったが、現在ライセンス保持者は、場面に応じて1,000万チャット近くを要求する。
FL-12ライセンスはバー所有者とホテル経営者により最も求められている。ホテル観光省によると、1,500軒のホテルのうち168軒のホテルだけがミャンマーで酒ライセンスを保持している。
しかし、どのホテルが外国酒の輸入及び販売ライセンスを受け取ったかに関するデータは無いと、ホテル観光省のダイレクターMyo Win Nyut氏はミャンマータイムズに語った。
告発はまだ
変更してからまだ誰も告発されていない。
「同問題に協力する、税金の徴収及び規則遵守に関する地区行政の指示がない」とThein Zaw Oo氏はいう。
そのためMOCはホテル観光省、内務省、計画財務省と共に、違法な酒輸入、流通、販売に対し共同で確認及び検査を実施する計画を現在議論しているとKhin Maung Lwinは述べた。
一方で、酒小売業者は反撃を開始した。「政府はレストラン、バー、ナイトクラブから高いライセンス料と多額の税収を得ることが出来るため、この問題を再度検討するべきである」とバー及びレストランの所有者Kaung Min Khant氏は述べた。
1996年以来FL-12ライセンスを保持し酒屋を運営している酒小売業者のMaung Lone氏は、現在は現地生産者を保護するため、政府は輸入酒に対して法律を施行していると述べた。
「民主的な国でこれはあるべきではない。市場の供給と需要は政府の事業であってはならない。彼らの焦点は、税金の徴収であるべきである。私は税金として1年間に約10,000万チャット支払っている」と彼は述べた。「私たちは皆、外国酒販売のための適切な許可が欲しい」。
(Myanmar Times 2018年10月31日版 第5面より)