AGD銀行、利益下落のためIPOを準備

2014年に利益を大きく落としたAsia Green Development銀行は、間もなくオープンするヤンゴン証券取引所(YSX)における新規公開株(IPO)上場の準備をしている。
2014-15年会計年度の同行の純利益は1億1260万チャットであり、前年度の96億チャットよりも大きく減少したと、2015年10月24日に行われた第5回総会で言及された。
会長のU Than Ye氏は、業界競合は増しているため、当行は預金金利を上げ送金手数料を下げたと述べた。
AGDの年次報告書によると、「税引き前の純利益はごくわずかであ」り「正直に言うと、私たちは今年の成績に満足していない」。
結果として、同行は配当を見送った。
利益を落とした要因は様々である。初めに銀行間の競争の激化があげられる。預金の増額を狙い預金者に有利な金利を提示していることから、資金調達の費用が増加している。預金口座の金利は8%から8.25%または8.5%に上昇している。
また、ミャンマー中央銀行は融資規制を厳しくしており、銀行は貸付において13%以上の金利を設定することができず、必要以上の手数料及び料金を請求することは出来ない。
第2の要因は、送金における競争の激化である。U Than Ye氏によると、送金手数料は0.15%から0.05%と3分の2まで下落しているため、送金収入が急激に減少している。
第3に、年次報告書によると、AGD銀行は「より身近な金融機関」を目指し急激に支店や固定資産を拡大している。
副社長のU Soe Thein氏は、2015年―16年度には環境がさらに良くなることを希望しており、今後、当行は固定資産への支出を制限する必要があると述べた。他の情報筋によると、昨年の株主離れが銀行の評判に影響を及ぼしている。
その当時、実業家U Tay Za氏 と彼のHtoo Group社が所有する同行の株の60%が、U Kyaw Ne Win氏(1962年から1981年ジュンダ政府の代表を務めたU Ne Win氏の孫息子)に売却されたと噂された。しかし、AGD役員は、売却された株式は15%であったと述べた。
以前、AGD役員が行った証言によると、U Tay Za 氏と彼の息子でHtoo Group社の社長を務めるHtoo Htet Tay Za氏、そしてHtoo Group社はもう株主ではない。U Soe Rhein氏によると、筆頭株主は35%を所有する銀行の取締役の1人であるDaw Thidar Swe氏である。
AGD銀行は2010年に設立され、2013年に株式公開会社となった。資本金は、授権資本1,000億チャット、払込資本金300億チャット。発行済み株式数は、約601,000株であり、一株当たり50,000チャットである。
15か月前に、今年末にオープン予定であるYSXへの上場準備が始まった。
大和証券、森濱田松本法律事務所、Win Thin and Associates Audit の協力のもと目論見書を準備し、上場に備えた企業構造及びガバナンスの改善に取り組む。大和証券は、証券所の暫定的引受人ライセンスを受け取った10の証券会社の1つである。
上場準備は最終的な段階であるとU Soe Thein氏は述べ、株式の売却を通じて一般から資金を調達することにより、中央銀行の必要要件に沿うよう資本基盤を強化していきたいと付け加えた。
(Myanmar Times 2015年10月26日版 第8面より)