ミャンマーの遺産修繕、新しい法律に基づき改善した

Merchantストリートと37thストリートの角には、白と黄色の塗装の剥離層の間にBurma Translation Society と書かれた情報省が所有する建物がある。
U Soe Myint Than氏は、25年間、同省の印刷・出版会社に勤めていた。彼は、この建物は歴史そのものだという。
「私が知る限り、アウンサン将軍はミャンマー文学を扱う公共施設の設置を検討しており、ウー・ヌ宰相の下1950年に建設された」。建物は修繕が必要であるが、まず初めに、政府から修繕費の承認を受けなければならない、と彼は述べた。
「修繕は政府予算で行われるが、大工や石工の雇用は私たちが行わなければならない。私たちは、屋根を修復する必要があるため省に意見を提出しており、上手くいけば許可と資金を受け取ることができる」。
手作業による損傷を避けるため技術労働者を雇う必要があり、建物を元の状態に修復するための費用はとても高額になる」と彼は述べた。
「私たちは建物の内部のみ修繕するつもりだ。私は何年もの間ここで働いてきたので、愛着を感じている。ミャンマー文学の歴史上重要な建物であるので、私はこれを維持していきたい」。
商業省のU Maung Aung氏は、ストランドロードにある商業省のオフィスは、政府特別予算のもと維持されていると述べた。
彼が言うには、「すべての省庁は管理予算を持っているが、ほとんどの場合が十分ではない」「私たちは、元来の構造を損傷しないようにしながら、たいてい建物内を修繕している」。
復旧作業が中断した場合、建物は崩壊するだろう。「私たちは本当に修復の必要なところのみ修復する。伝統的な手技巧であるが、技術労働者を雇う予算がないのだ」。
新設された歴史的建造物の保護・保全法に基づいて、この状況は変わるかもしれない。法律は2015年8月26日に通過し、これにより100年以上になる国有建物は文化省の協力のもと地域政府に管理されることとなる。
同法はまた、民間所有の建物も省と建物の所有者により維持・管理することを規定し、より新しい建物であっても文化省により文化遺産として認定された建物についても規定している。また、この法律はヤンゴンに限らず、歴史的に重要な建物がある他の町にも適用される。
国の歴史的建造物の修繕を行う場合は、文化省下の考古学部門、国立博物館及び図書館、そして、その地域の開発委員会のエンジニア部門からの許可が必要である。
「修繕の大小にかかわらず、いかなる修繕も報告しなければならない」とヤンゴン開発委員会(YCDC)の都市計画及び土地管理部の職員は述べた。「私たちは、新しい法律に基づいて、異なる省庁と協力して最善を尽くそうとしている」と彼は述べた。
これはいくつかの問題を引き起こす可能性がある。パンソーダンストリートとアノーヤターストリートの角にある植民地時代の建物に住むU Than Oo氏によると、建物の維持は、建築物保護ではなく安全性の問題なのである。
「建物は築100年近くなっていると思う」と彼は述べた。「歴史的価値があるのかどうか分からないが、崩壊するのではないかと心配している」。
アパートは、1962年に改革評議会により政府職員と軍将校に割り当てられたものであり、以来、世代を通して受け継がれており、各住人は自身が所有するアパートを修繕する責任がある、と彼は考える。
「主だった修繕のために私たちはお金を寄付し請負業者を雇っている。私たちはその後確認を行うことはないので、伝統的な手技巧が壊れた場合でも分からない。私たちは安全性を確保するために建物の修繕を行っている」。
YCDC職員は、現在、市の遺産建造物のほんの一握りが、オフィス及び民間団体の建物として使用され、適切に維持されていると述べた。
また、YCDCは出来るところから行っていくという。「私たちは予算が認められた場合、修繕が実際に行われるように努めている」。
現地当局本部があるヤンゴン市役所は、非政府機関であるヤンゴン遺産トラスト(YHT)から歴史的重要性を示すブループラークを受けた最初の建物である。YCDCは「私たちは歴史的建造物の損傷を防ぐ取り組みを行っている」。
植民地時代の事務局のような重要かつ貴重な建物は、管理と修繕を地域政府と協力して行う決定をしたと彼は付け加えた。
他の国では、歴史的建造物は収入が得られるよう復元されている。「実例として、専門家は、テインピューロードにある中央プレスビルルディングを本屋やカフェが入った建物への再開発を提案している」と彼は述べた。「もちろん、建物は省により使用されているので、安全性を考慮することも重要である」。
建物を所有している情報省は、この事業への支援を求めヤンゴン遺産トラストへアプローチしている。中央プレスは依然として操業中であり、『仕事と生活の博物館』になるだろうとYHTのシニア遺産建築家のDavid Gole氏は以前ミャンマータイムズに述べた。
YCDCは国家遺産としてヤンゴンの189の建物を登録している。そのほとんどがダウンタウンにあり、民間または公的機関のオフィスとして使用されている。1990年から民間ディベロッパーは、中規模マンションやオフィスタワーを建設するために市の重要な建造物の多くを壊している。
歴史的価値のある多くの建物も損傷を受けている。YHTの論文によると、ヤンゴンは依然として遺産地区計画を立てておらず、新しい高層住宅計画は、既存の建物や町の景観を脅かし続けている。
(Myanmar Times 2015年10月26日版 第9面より)