ミャンマーの法の支配の原則は司法長官府の改革次第

昨今、大統領の選出や新政府の組閣といった議論が活発に行われているが、人権の尊重と法の原則を守る上で重要な役割を担う司法長官には十分な注意が払われていない。
司法長官はミャンマーにおける最大の司法権者である。司法長官は閣僚として、大統領や議会に対する法的アドバイスや、国際条約の分析、法律の草案及び改訂、司法手続きにおける政府代表を担い、また憲法及び国際法に従い検察官事務所を指揮し内閣の活動が法的に有効であることを保証している。
国際法律家委員会(ICJ)、国際支援者及び開発パートナーは先週ネピドーで行われた2015-19年度の司法長官事務所(UAGO)戦略計画開始に伴う司法長官の権力について議論を行った。全員が国民民主連盟(NLD)は、法の原則を実現するための司法システムと閣僚選出を保証するとした選挙公約に従い人権や法の原則の改革を実現できる司法長官を指名すると期待している。
新しい司法長官は、国際基準に基づいた法律家の責任と倫理観を確立する必要がある。人権の尊重と法の原則に従い、UAGOは機能的自立と公平性をもって犯罪の調査、起訴を行わなければならない。UAGO内においては、検察官に対し独立し公平かつ客観的に、そして公共の利益の保護のため誠実に職務を果たすための権限を与えなければならない。これらの原則は検察官の役割に関する国連ガイドラインで定められている。
国内外の評論家は、司法長官事務所は利害関係を主張し司法の独立を妨げる軍の影響を受けているという。国連開発計画の支援を受けUAGOが草案した戦略計画「法の原則の前進」は、機能的自立に向かう重要な変化を約束する。戦略計画は野心的であるが、機関開発のための重要な基準を確立するものとなる。
戦略計画は事務所に対する国民の低い信頼を認めている。この認識は、汚職や人権擁護活動家や反政治家に対する人権侵害といった主要な問題への取り組みが疎かだったとするUAGOの記録の一部に拠るものだ。
計画は国際基準に従った法の原則の保護によってこの点の改善を保証している。UAGOは法律の草案と協議に従事し、公正な裁判の原則に基づく起訴、検察倫理と執行責任の向上、国民の信頼の喚起や改革への積極的な取り組みのほか、ミャンマー国民の人権保護を担う。
ミャンマーの法の原則を促進、保護する改革のためには、新しい司法長官はリーダーシップを発揮し、機能的独立、公平性、職務責任の全うを約束しなければならない。
この戦略計画が国際的支援者の支持を受けて開始されたことで明らかなように、ICJはこの公約を歓迎し、また、UAGOは新政府と国際社会と共に働くことを明言している。改革はこの協力が実施段階においてどのように発揮されるかにかかっている。
UAGOは不当な干渉から自由にならなければならず、同様に判決への干渉をしてはならない。最高裁判所は自身の独立性と公平性責任を約束し、これらは侵害されるべきではないとした。AGは新しく設立されたミャンマー独立弁護士協会といった独立した弁護士協会が、法的権力とメンバーの業務を管理することを認めるべきである。
NLDは法の改革を約束している。マニフェストではすべての人々を保護する公平かつ公正な、そして公正で公正な司法システムを確立し管理する統治システムの構築を強調した。LNDは国民が恩恵を受けられるような法の制定と改正を行うという。司法機関は独立性を持ち政府の立法機関や行政機関と平等である必要があるからだ。このような目標を達成するためにUAGOの改革を行い、司法長官は重要な役割を担う必要がある。
これらの公約は広くUAGOの計画と一致している。新たなNLD主導の政権と司法長官は、国の法施行機関として、また、検察官が公平に職務を全うできることを保証する保護機関として協力することが重要である。執行機関としては完全に独立した検察機関であることが望まれるが、法律や慣習に基づき、検察官が公正に調査を指揮することができるよう、国は保護する責任を負っている。法律関係者にはサービス、十分な報酬、そして適切な身分保障と年金及び退職年齢といった適切な条件が与えられるべきである。これにより汚職が防止できるであろう。UAGOは通信技術、書籍、トレーニングの不足といった資源がひどく不足した状態である。
NLDがミャンマーの人権と法の原則を改善するという約束を果たすのであれば、UAGOを力ある機関として改革することができる新しい司法長官を指名することは改革の過程において必須であり、国民に対し強い意志を表明することができるであろう。
(Myanmar Times 2016年1月27日版 第7面より)