ミャンマーの医療分野への外国投資の関心が高まる

国内における国民の基本的な支出額の上昇も後押しし、ミャンマーでは何年ものあいだ蔑ろにされていた数百万ドル規模の医療市場に、外国人投資家は関心を向けはじめた。
上昇する可処分所得、中級階級の新進や海外医療に依存している現在の市場を狙うチャンスは、同国で事業を行う外国企業が高い関心を寄せている話題だ。
彼らは「ミャンマーの医療はまだまだ原始的な段階であり、非常に大きなチャンス」を目の当たりにしているとミャンマー連邦商工議会の副会長Maung Maung Lay氏は述べた。
これは非常に新しいチャンスでもある。2014年まで、外国人投資家は医療施設への投資を制限されていた。
英国のTrade and Investmentの最新の報告によると、保健省はその後、民間病院、クリニック、診断サービス、医薬品や医療機器の製造、民間医療、保健関連教育機関への外国投資を承認し非常に資金不足であったセクターを自由化した。
自由化以降、近隣諸国のマレーシア、インドネシア、タイの参入が期待されており、調査会社BMI Researchは、これらの国の私立病院が市場参入の最大シェアを占めると予測する。
主な新規参入事業者はインドネシアと中国の合弁企業Parkway Healthcare、1月にヤンゴンで7,000億米ドル規模の病院建設を開始したマレーシアのIHH Healthcare Berhardの子会社である。
Parkwayは同計画による合弁企業の株式の過半数を保有し、シンガポール企業のMacondray Holdingsが10.5%を保有する。残りはミャンマー企業2社の保有となる。
「外国人観光客や駐在員の急激な流入に伴ったミャンマーの長期的な収入の拡大や中級階級の段階的な出現は、IHHのような民間医療の提供者にとっていい前兆だと期待される」と記者会見で同社は語った。
オックスフォードビジネスグループによると、インドネシアのLippo Group社は将来的に12の病院を設立するため、First Myanmar Investment(FMI)との合弁企業を、4億2,000万米ドルをかけて立ち上げる。
タイのThonburi Hospital GroupとBumrungrad Hospitalは共に市場にのりだしており、ほかの企業、特にミャンマーの南東の国境付近に位置する企業も進出を狙っている。
1月のBMI Researchの見通しでは「地理的に近いため、タイに拠点を置く医療関連企業はこのフロンティア市場で最大のシェアを占めると期待される」。
「ミャンマーへの民間医療機関の流入は続いており、医療器具・医薬品企業双方にいい波及効果を与えている」。
しかし外国企業の流入は全ての面で歓迎されているわけではない。
IHHヘルスケア病院は、ミャンマーの学生や医療専門家らが開発に反対し、論争の原因となった。
一方国民民主連盟は、マニフェストにおいて最優先事項は基本的な医療提供の改善と拡大であると述べている。この政策の目的は(特に私立病院では高額となる)医療費への支出を削減することでもある。マニフェストではさらに、NLDは公衆衛生の強化を狙いクリニックと民間病院の合法的な開設を許可するとされている。
「海外企業がミャンマーで病院を設立することを可能にする法案を通過させる前に、一般的な人々が医療を受けられる環境を改善する戦略の可能性を考える必要がある」と、ヤンゴンに拠点を置く米国家庭医学専門医士のChristoph Gelsdorf氏は述べた。
「この状況で全てがこの時流に乗ることができるだろうか」。
(Myanmar Times 2016年 3月23日版 第9面より)