ミャンマー政府、SOEの見直しに着手

政府は、再構築が必要な企業を判断するため国営企業の見直しに取り掛かったと財務省職員はミャンマータイムズに語った。
財務省の事務次官であり財務部の部長であるMaung Maung Win氏によると、全ての国営企業(SOEs)を対象としたこの見直しにより、どのSOEを株式会社化し、民営化し、または国営企業として残すのか、政府は判断する。
アナリストは以前からSOEの改革をミャンマーにとって重要な業務であると考えており、経済成長をもたらす重要な業務だと言っている。SOEは多くの問題を抱えており、中でも不採算と人員過剰に悩まされている。最新の採掘産業透明性イニシアチブレポートによると、発掘産業の国営企業においては巨額の利益を上げる一方で、その多くがあまり知られていない“他の口座”へ蓄えられ保健や教育といった予算が足りない省庁へ回ることがない。
運送-特に空路や水路-だけでなく郵便・通信といった業界は民営化や株式会社化しやすいとMaung Maung Win氏は述べた。
ミャンマーナショナル航空は2014年に株式会社化への取り組みが開始された。この国営企業は政府から融資を受け、2,3年のうちに公開会社として運営される計画であるとCEO Than Tunキャプテンは今年初めにミャンマータイムズに語っている。
一方、新政府に提出された報告書によると、国内水路局はひと月に約4億チャットの損失を出している。副局長Min Kyawt Nyi Nyi Aung氏はミャンマータイムズに、同部署には2840人の職員と4596人の年金受給者がおり、支援が何もなければ、数カ月以内に閉鎖を余儀なくされると語った。
アジア開発銀行、日本国際協力機構、世界銀行は、同局は人員過剰であり、土地と建物を含めた資産は年金の支払いのために営利化すべきであると提案した。
Maung Maung Win氏によると、石油、ガス企業と同様にミャンマー鉄道も国営企業のまま残るようだ。
採掘SOEから政府が得る収入はEITIの情報によると合計73兆チャット(22億米ドル)となり、このうち85%を石油。ガス産業が占める。
Maung Maung Win氏は、同業界では多くの合弁事業を行っており民営化や株式会社化は非常に困難であると述べた。
関係機関はこれら大企業の不透明な財政の透明化を図るよう警告を出している。中央銀行は3月に、SOEが正式な取引ライセンスを持つ現地銀行で外国通貨当座を開設することを認めた。これは国営企業の口座の透明性を向上させることが目的の1つであると、中央銀行外貨管理局の部長Win Thaw氏は述べた。
国際金融機関と前政権下の議員らから国営銀行の規模を縮小するよう求める声もある。ミャンマー経済銀行(MEB)の職員は昨年ミャンマータイムズに、世界銀行は国営銀行の改革も選択の一つだと政府に提示したが、再構築や法人化は時間だけでなく銀行法などの規則を変更しなければならないと語っている。
最も新しい改革要請はミャンマー米連盟から出されたもので、4月上旬、農業・家畜・灌漑省に対しミャンマー農業開発銀行(MADB)を民営化するよう求めている。
MADBは国営のミャンマー経済銀行から資金提供を受けており、かろうじて利益を出している状態である。MADB職員によると、同行は民営銀行と比較し低いレートで融資を行っており、利益は1%しか出ていないという。
Maung Maung Win氏は、将来、MADBはいくつかの点で民営化ではなく株式会社化されるべきであると語ったが、詳しく話せる段階ではないと詳細は語られなかった。
(Myanmar Times 2016年5月10日版 第9面より)