イスラム教徒弁護士ネットワークの禁止を要請

マンダレー出身の弁護士は、問題や派閥を生む恐れがあるとして新たに設立されたイスラム教徒弁護士協会を廃止するよう、内務省に訴えた。
ミャンマー独立弁護士協会の事務局長Thein Than Oo氏によると、ミャンマー北部の弁護士ネットワークは署名を集め、内務省に正式な要請を送付した。
「私はイスラム教徒弁護士ネットワークの形成に反対ではあるが、彼らも組織を設立する権利を持っているので署名はしなかった」とマンダレーに拠点を置く弁護士は話す。Thein Than Oo氏は、この問題によって仏教徒とイスラム教徒のコミュニティー間の緊張が再び高まるのではないかと懸念している。
内務省はイスラム教徒協会の登録を許可しないよう求めた書簡の受領を確認した。「私たちは書簡に記されている協会の登録要請を受けていないため、これに対処する予定はない」と同省の広報担当者Ye Naing氏は述べた。
ミャンマーイスラム教徒弁護士協会は6月上旬に、70人の弁護士によりヤンゴンで設立された。今月末に15人のメンバーで成る中央代表委員会を登録する準備が行われている。
国民民主連盟の顧問弁護士であり協会の出資者である弁護士のKo Ni氏は、弁護士は憲法や法に対して行動を取っていなかったという。国内の全イスラム教徒を保護するための法的支援は必要だ。「私は、なぜ人々が『イスラム教徒』という言葉を聞いて批判するのか理解できない。私たちは人々に危害を加えるわけではない。軍事政権の下長い間苦しんできたイスラム教徒の人々を支援したいだけである」と彼は述べた。
同協会の事務局長Khin Maung Cho氏はミャンマータイムズに、グループは、社会的に差別され平等な教育を享受していないといった権利を失っている少数派であるイスラム教徒の人々を法的に保護する予定であると語った。彼はまた、弁護士は国内の法の支配を支援し議会に法的助言も行うつもりだという。
「私たちは問題を起こしているわけではない、問題から守っているのだ」と彼は話す。政治的動機による宗教的差別であれば、非イスラム教徒にも法的支援を行うという。
人権弁護士として有名なRobert San Aung氏は、新しい協会に対してこう話す。
「本当に人々を助けたいなら、どの宗教にも言及してはならない」「この方法は間違っており、私はイスラム教徒弁護士協会の設立を認めない」。
マンダレー弁護士ネットワーク事務局長Mya Aung氏はミャンマータイムズに対し、弁護士内の派閥やコミュニティー間で衝突が生まれることを懸念し、同協会の設立に賛成しなかったと語った。
(Myanmar Times 2016年6月21日版 第2面より)