ミャンマーのホテルやバー、酒類ライセンスに苦しむ

観光業の専門家によると、法的要件を満たし国内で酒類を提供している店は全体の約10%に留まるという。無免許で種類を提供する店が広く普及し税金の未払いで地域経済に負担をかけているとして、内務省はこれ以上のライセンスの発行を拒否している。
内務省酒類及び税務局は、全国で41,153の酒類ライセンスしか発行していないとミャンマー観光連盟の共同書記官Khin Aung Htun氏は先日行ったミャンマータイムズのインタビューで語った。
多くのホテル経営者は酒を提供することはホテル観光省により発行されるホテルライセンスに含まれ認められていると思っているが、これは間違いであると彼はいう。酒類を提供するライセンスは別であり、内務省から取得しなければならない。
彼は、「バガンには4つのレストランと、約30のホテルしか酒を提供するためのライセンスを持っていない。他の全ては市行政官との合意に基づき営業している」といい、裏金システムを示唆した。
ヤンゴンの酒場は10あるうち1つのみが正式なライセンスを持ち、納税の義務を果たししていると彼はいう。
多くのバー経営者は2015年3月末の増税の際、ライセンスの失効を認め、地元当局との合意を取り付けることを好んだ。
彼は、政府がホテル経営者とバー経営者がライセンスを取得できるよう奨励する政策を行い、税収増加に取り組むことを望んでいるという。
レストランやバーの経営者は顧客から売り上げごとに徴収した5%の商業税のほか、純利益に基づき所得税を納めなければならない。
内国歳入局によると、200万チャットから500万チャットの純利益の場合5%、500万チャットから1,000万チャットの利益に対しては10%、1,000万チャットから2,000万チャットの利益に対し15%、2,000万チャットから3,000万チャットの利益に対し20%、3,000万チャット以上の利益に対し25%の所得税が課される。
Khin Aung Htun氏によると、酒販売の闇市場が価格の押し上げにつながりうるという別の問題もある。
「ライセンスに対する支払いの代わりに行政官を買収する経営者もいる。だが彼らは逮捕されることを恐れ、更に支払うことになる。そして彼らはこの支出をカバーするためアルコールの価格を上げることになり、バー経営者、顧客、税務署の誰もが損をしている」。
法律は国際空港の免税店を除き外国酒の輸入を禁止しているため、そのような場所で販売されているワインや蒸留酒は多くの場合、違法に輸入されたものだと彼はいう。
「酒が違法に輸入されている限り、国はこの問題で利益を失い続けるだろう。しかし(政府は)、法律を破る人に対し取り締まりを行わなければならない」、偽物の酒類の誘惑は健康に害をもたらし、現在のシステムでは汚職はなくならないと彼はいう。
ホテル観光省の局長Myo Win Ntynt氏は、問題は観光客が増えるにつれて大きくなる恐れがあると指摘した。
同省は2020年までに年間750万人の観光客が訪れることを見込んでおり、Kayin, カヤー、チン州といったこれまで入域が禁じられていた場所も観光客に開放される予定であり、無免許ホテルの問題は最早ヤンゴンやバガンだけに限定さるものではない。
「私たちは毎月約7つのホテルにライセンスを発行している」とMyo Win Ntynt氏は述べた。「7月末時点で、私たちは既に1361のホテル、53,355部屋分にライセンスを発行していた。国際基準のホテルは酒類ライセンスが必要となるレストランやバーを併設しているため、より良い政策を執らなければならない」。
しかし観光省と内務省ではこの問題に関し全く逆の見解を示している。内務省はライセンス数を減らしたいと考えており、観光省はより多くの観光客を誘致したいと考えている。
匿名希望の販売業者は「酒類ライセンスの申請をホテル経営者に思いとどまらせる内務省の政策」という。
「バー、レストラン、ホテルの開業を考える人たちはCS2Aライセンスを取得しなければならない。彼らは20万チャットのライセンスを闇市場で200万チャットを支払い購入することができ、親密な地区当局の助けを借りて800万チャットから1,000万チャットでFL17ライセンスと交換することができる。これによりワインや外国酒の取引が可能となるが、生ビールは対象外である」。
内務省は当面新しい酒類ライセンスの発行を行わない予定で、新規のライセンスは全て闇市場で購入しなければならないことになる。
CS2Aライセンスは国内産の酒類のみ対象としている一方、FL17ライセンスはワインやビール、外国酒の販売を許可している。生ビールの販売には、年間120万チャットかかるFL9ライセンスが必要である。
これら全ては店内での飲用を認めるものである。自宅用を扱うスーパーや酒屋などの小売店は150万チャットを払いFL12ライセンスを、卸売業者は300万チャットを支払いFL11ライセンスを取得しなければならない。昨今の生ビール無許可販売の取り締まりは、多くの酒場に自腹を余儀なくした。
観光省局長Myint U氏は、「ホテル経営者は、内務省はライセンス申請の対処に非常に時間がかかっていると不平を漏らしている。時に彼らは、承認を推薦されているにも関わらず拒否する」という。
一方、バー経営者は未だ深夜帯の飲酒禁止に苦しんでいる。
ある経営者は、「法律は閉店を9時と規定しているが、当局が実例を作ることを望んでいる場合を除き、警察は11時までは見逃している。しかし24時間営業する店があることも周知の事実だ」と語った。
(Myanmar Times 2016年 8月16日版 第8面より)