初のミャンマーの国債競売、9月に予定

貸し出しが雨季に低迷する伝統的な兆候は銀行に過剰流動性をもたらしており、銀行員は、銀行は来月行われるミャンマー初の長期国債入札に意欲的であるという。
計画財務省は2016年8月22日、国債競売の規模と方向性について参考にするため、唯一政府国債の購入を認められた民間銀行投資家層の代表者との会議を設けたと副大臣Maung Maung Win氏はミャンマータイムズに語った。
債務管理に関し政府に技術的支援を行っているアジア開発銀行(ADB)の経済学者Thatha Hla氏は、最初の国債入札は2年から3年の国債である可能性が高いと明かした。
同省は最初の会計年度で約1兆チャット(8億4100万米ドル)の国債を売却したいと考えているが、この目標は投資家の関心に応じて変更するとMaung Maung Win氏は述べた。
初開催の国債入札は国際基準に従い市場価格で国債を発行しようとする政府取り組みの新たな一歩である。前政権は一部の民間銀行が喜ぶような率を選ぶといった単に国債の金利を決定しただけだった。
銀行員は、前政権が販売した国債は2年国債で8.75%、3年国債は9%、5年国債は9.5%と同様の金利であった。従って、銀行は通常ローンに13%、預金には8.25%の金利を設定している。
この銀行金利と国債に適用される金利のわずかな差は、投資すべき資金を限定して考えることになり、前政権の国債販売を魅力のないものにしていた。
1年又はもっと短い満期の借入となる国債に対する欲求は、同様の理由で低迷している。
市場システムの変更は前政権下の頃から始まっており、2015年に固定金利による3ヵ月債権の販売から入札により金利を決める方法に変更された。新政府は今年はじめ、この入札システムを、6か月と12カ月に拡大した。
しかし、新国債入札に対するミャンマー民間銀行の需要は大きくない。政府とADBをはじめとする銀行との協議にも関わらず、政府と銀行間の希望利回りの調整には時間がかかっている。
最も定期的に利益が上がる3か月国債の利回りは、今年は着実に下落している。需要があがれば、国債入札の金利は下がる。しかしミャンマーの国債の場合、需要の増加は銀行が過剰流動の状態にあり他の投資先がないことが主な原因であると、ミャンマーオリエンタル銀行(MOB)の会長Mya Than氏はいう。
「貸付金と預け金の需要が雨季に上昇したことはない。これはいつものサイクルである」「また私は、ビジネス分野での活動も一般的に鈍いと聞いた。理由は分からないが、多くの銀行が余剰金を持っているため国債の購入に関心を抱いている、これが金利下落の理由である」と彼は述べた。
同様の理由で、Mya Than氏は新たな国債入札に対する需要は上昇すると考えている。MOBの流動性の状況は「良好」であり、彼は次の入札に参加することを計画している。
銀行が提供する預金利率よりもわずかに高い利回りでも、銀行は現金を減じるインフレ(ADB銀行は今年度9.5%と推定している)を止めるための複数の投資形態を必要としている。
「国債から利益を得ることはない(かもしれない)が、私たちは必然的に購入しなければならない」「ないよりましだ」とMya Than氏は述べた。
Thatha Hla氏は、銀行は非常に高金利を提供しているが、流動性が高いという事実は省の巧みな低金利について議論を呼ぶだろうと述べた。
CB銀行の社長Zaw Min Thant氏は、同行は国債を購入する予定だが、次の入札に対する投資手法をまだ決定していないと述べた。
MOB及びCB銀行のどちらも、2年国債の利回りがどうあるべきかについてコメントすることはなかった。政府は今月初めに、8.5%の利回りで12ヶ月国債を販売した。
競売システムがより魅力的な利回りであれば、民間部門全体に国債購入が広まるかもしれない。以前の国債は低金利で販売されていたため、国営銀行と中央銀行が政府発行の国債のほとんどを購入してきた。これにより政府は財政赤字を紙幣増刷により穴埋めし、その結果インフレが悪化した。
省は市場レート以下での中央銀行の国債購入に対処するため、暫定的な措置を取ると考えられる。Maung Maung Win氏は、省は現在、中央銀行に対し競売の結果よりも低いレートで国債を購入することを認めるかどうか「ケースバイケースで」決定するという。中央銀行が準市場利回りでの購入できない場合、今度は政府が中央銀行の需要に頼るメリットがなくなってしまうとThatha Hla氏はいう。
(Myanmar Times 2016年 8月18日版 第9面より)