軍産複合体はさらなるジョイントベンチャーを期待

軍産複合体であるMyanma Economic Holdings Limited(MEHL)の企画部門の統括責任者U Hla Moe氏は、株式会社としての運営についてのミャンマー・タイムズ紙の独占インタビューにおいて、外国企業との合弁事業の見通しや ミャンマーの新経済の競争の中で生き残っていく見通しについて語った。
軍は1990年にMEHLを設立した。同年は国民民主連盟が非公式の総選挙で勝利した年であった。この巨大企業体は、姉妹会社であるミャンマー経済公社とともに、長年にわたり経済特権的地位を享受していた。どちらも特定の税金を免除され、通商、天然資源、アルコール、タバコ、消費財などの分野を支配するようになった。
しかし、ここ5年間で起きた改革によって特権は徐々に失われていった。一部の分野では、地元企業や外国企業が軍事複合体と同等の立場で競争できるようになってきている。 MEHLも、分野にわたる経済変革の中で、内部的な改革を進めている。その中で最も重要なのは、通常のミャンマー企業と同じ会社法の下で経営する株式会社になることだ。
MEHLは、資本金100億チャット、1株1000チャットで設立された。同社が設立されたとき、防衛省と国防総省が保有する400万のA型株式と、警察官から上級大将に至るまでの現役の軍人、個人の退役軍人、連隊厚生組織及び退役軍人会の4グループが保有する600万のB型株式があった。
MEHLは、国家計画財務省へ株式会社として登録申請するために、2015年から2016年の会計年度の終わりに、A型株式をすべてB型株主に譲渡した。これは国防省への10億チャットを超える返還を含むものであったが、これによって、軍産複合体は将来に渡る利益分配を免れたとU Hla Myo氏は述べている。
「国防省と国防総省に11億3000万ドルを返還した。(これらの省は以前の株主であったため、)利益を分配する必要がありましたが、今後は利益分配はなくなりました。」と彼は言った。
国民民主連盟経済委員会のメンバーであるU Ye Min Oo氏は、MEHLが通常の株式会社として経営するためには、国家が投資した資本を返還するのが正当であり、適切であると述べた。もっとも、彼はそれだけではなく、MEHLが過去26年間にわたりその特権を利用して得た多大な利益を吐き出すことが望ましいと考えている。
MEHLは、2015年から2016年の会計年度に、税引き前利益で1、000億チャットを上回ったと、UHla Myo氏は述べているが、同氏は、これまで積み上げてきた利益の一部を政府に移転すべきではないかとの質問に対して、意見を述べることを拒否した。
現在、最大のグループである現役軍人たちを含む329619人のMEHL株主がいるとU Hla Myo氏は述べている。同社は、近い将来に非軍人に株式を売却する予定はなく、MEHLは既存の株主に利益をもたらすことに重点を置いているため、さらなる資本は余分であり必要ないと彼は述べた。
「人々は、MEHLに大きな利益を得ていると思っていますが、MEHLの中でもすべての企業が高い利益を上げるわけではありません。 利益は多数いる株主の間で分割されなければならないので、(株主のために)同社には少しの利益しか戻していません。既存の投資家に利益をもたらすことに集中したいです。」と言った。
2015-16会計年度のMEHLの税引き前利益は約1000億チャットであったが、約370億チャットが株主に配当されたとUHla Myo氏は述べている。
「私たちの年次総会では、配当される利益の割合を決定し、同意を得ます。利益は4つに分割されます。 1つは株主に配布されます。第2は機械(企業や企業)のアップグレードやメンテナンスに使用されます。 3番目は再投資または新規投資のために確保されます。第4は福祉、賞与およびその他の企業の社会的責任活動のためのものです。」と言う。
また、彼は、MEHLが利益の内いくらかを武器購入に使ったという噂を払拭しようと努めた。
「過去には国防総省が株式の一定割合を占めていたため、MEHLの利益が軍事兵器を購入するために使われたと考えるひともいましたが、実際には同社が最初に設立されて以来、私たちがそのような形で利益を使ったことはないと保証できます。」と言いきった。
「現在はもう特別扱いは受けていません。もちろん、株式会社に移行することは一切そのような特権を受けていないということを意味しますが、実質としてもMEHLは2012年頃以降、普通の企業のように営業しています。」と答えた。
「MEHLは特別会社法(1950年施行)の下で設立されていたため、あらゆる特権を享受していたと言われることがよくあります。」「しかし、現在は1914年施行の通常の会社法の下で稼働しているので、特権はありません。 (宝石と翡翠の)採掘に関連する政策さえも大きく変わってきました。 MEHLが入札なしで採鉱ブロックを与えられる特別なケースはありません。現在は我々も入札システムに参加し、他の企業と同様に所得税を支払う必要があります。」と言った。
投資・企業管理局事務総長のUAung Naing Oo氏は、今年初頭ミャンマー・タイムズ紙の取材に対し、軍事複合体は他の企業とは異なる扱いを受けることはないと断った上で、特定の分野では『間違いなく』有利になると述べた。
「MEHLには、通商、サービス、製造の3つの主要ビジネス部門があります。この軍事複合体には、全部で55社の完全子会社を持っている。この中には製造部門の23社、サービス部門の8社、通商部門の6社がある。MEHLのデータによると、加えて2つのサービス業を行う関連企業と16の海外パートナーとの合弁会社もある。これらのジョイントベンチャーのうち6社が製造に従事している」と同氏は述べている。
「われわれは、日本、韓国、中国、シンガポール、香港との合弁事業を現時点で行っているが、私たちとビジネスを行うすべての国からの企業を歓迎する。一部の新規外国人投資家と交渉中であり、ほとんどが製造関係の合弁会社に関心がある」とUHla Myo氏は述べた。
UHla Myo氏は、米国の制裁の多くが解除されたことで、軍事複合体が外国企業との合弁事業を進めるのに最適な時期になったと述べた。
「欧米の制裁は、(外国の)投資やビジネスに多くの制約を課している。MEHLは、資金と技術面での支援の必要性から、外国合弁企業を選好している。」と付け加えた。
現在MEHLの手掛けている最も収益性の高い外国合弁企業は、Myanmar Brewery、 Virginia Tobacco、 Myanmar Posco Limited and The First Automotive Company、 said U Hla Myo.である。
同社の最も利益の出ている商社は、Myawaddy Trading Limited、Adipati Agricultural Produce Trading Limited、Myanmar Imperial Jade Company、Myanmar Ruby Enterprise、そしてGandamar WholesaleとRuby Martを含むShwe Gandamar International Trading Limitedである。
サービス分野では、保険会社Aung Thitsar Ooが最も収益性の高いビジネスであるが、Myawaddy BankとBandoola Transportation Limitedも成功している。議論に上がることもおおいLepadaung銅鉱山を含む銅生産は、同グループの内で最も収益性の高い生産企業の1つである。
(Myanmar Times 2017年11月18日号 第8面より)