情熱と拡大による、ピアノビジネスの収益化

東南アジアの貧困国の1つであるミャンマーでは、企業家がピアノ販売のような自由裁量ビジネスに、基本的必需品の提供を超えて挑戦することは稀である。
しかしMyanmar Music (Piano) Trading社の社長Soe Thura Win氏にとって、ピアノを販売することはビジネスを行うことだけではない。彼の情熱もまた生きている。
「ピアノは複雑な楽器で理解するのが難しい。他の楽器と違い非常に魅力的で、美しい音を作り出すことができる。そのため私はピアノが大好きだ」とSoe Thura Win氏はミャンマータイムズに語った。
「しかしこの種のビジネスはメロディーへの愛情が必要なだけでなく、音楽技術、情熱、そしてもちろんお金が必要である。これらの形質全てを持ち合わせていなければ、この事業を行うことは出来ない」と彼は笑顔で語った。
Myanmar Music (Piano) Trading社は現在、国で最も大きなピアノ店である。またキーボード、バイオリン、セロ、サックスフォン、ギターなどの他の楽器も販売している。
収益を補うため、Myanmar Music (Piano) Trading社はアフターサービスとして調律や修理を行っている。また結婚式などのイベントで人気の、ピアノレンタルサービスも提供している。

薬となる音楽
しかし同社は、最初多種多様な音楽ビジネスとして開始したわけではない。それはMingalar Taung Nyuntの91ストリートにあるSoe Thura Win氏の叔父、Hla Shwe氏のピアノワークショップとして1975年にオープンした。当時は他のピアノワークショップと同様、同事業は家族により経営されていた。
Soe Thura Win氏が医学学校を卒業した後ビジネスを継いだ際、家族経営のワークショップからよく管理された会社へと近代化し、拡大した。2009年に、Myanmar Music (Piano) Trading社はミャンマーで日本のヤマハのピアノを販売するための契約を締結した。
「実際、私はピアノワークショップで育った。私は医学学校に通っていたときでさえ、ワークショップでピアノを管理していた」と彼は述べた。Soe Thura Win氏がそれを伝える方法は、ピアノを弾く彼の愛である。そのため卒業後、医学のキャリアを断念しピアノビジネスの運営を行った。

需要の増加
しかし最初、ことは彼にとって簡単ではなかった。2009年から2013年の間、楽器に馴染みがない市場でピアノを販売することに苦労した。当時、ピアノは地元の人にとって非常に高価であった。
幸運なことに、インターナショナルスクールに通う学生からのピアノの需要が増えた2014-2015年に、事業は回復した。音楽は学校で教える教科の1つのため、両親は子どものためにピアノを購入していた。
一方で、現地の富裕層の中でも関心が高まり、ピアノを習いたい人の数が急増した。
Soe Thura Win氏の推計によると、現在国内には約12,000のクラシックピアノとアコースティックピアノがあるという。しかし、安価な電子ピアノを含めると数はさらに増えるだろう。
ミャンマーにあるアコースティックピアノの価格は、電子ピアノの約1,000米ドルと比較して、約200万チャット、1,500米ドルである。顧客は各店舗で最高22,000米ドルのピアノを購入することができるが、それ以上に価値があるピアノは事前に注文する必要がある。
「今日、ほとんどのピアノ愛好者と顧客はアコースティックを購入したがっているが、それは高価で定期的なメンテナンスが必要である。そのため、電子ピアノが流行である。それでも、顧客は電子ピアノとアコースティックピアノの違いを知っている。私は、国の経済が成長し続ければ、アコースティックピアノ市場は大きくなると思う」とSoe Thura Win氏は述べた。
ミャンマー市場にとって、ヤマハのインドネシア製のアコースティックピアノは天候が似ているため、最も適している。ピアノのキーのサイズもアジア人にとってちょうどいいという。

新たな収益源
需要の増加により、新たな収益源が利用可能になっている。例えばピアノの調律は、成長しているビジネスである。Soe Thura Win氏は、ピアノ調律士は調律しなければならないピアノが多くあり、また時間もかかるため忙しいと述べた。
そのため、彼は従業員を3年間の調律コースのため日本に送った。コース終了後、Soe Thura Win氏は他の若い従業員にも自社とミャンマーで生産性を上げるための適切な調律技術を備えさせることを望んでいる。
また、結婚式や他のイベントで人気があるピアノレンタル事業がある。外国人はまた国を去る時に売るという面倒を避けるため、レンタルする。
ワークショップの管理者Kyaw Moe Hlaing氏は、ピアノのレンタル料金は、良質のクラシックグランドピアノでもそれほど高くないと話す。「月額50から80米ドルで始められる。外国人は通常、6か月契約でかりる」と彼は述べた。
結婚式や写真撮影のための時間レンタルはより高額で、場所とピアノの種類によるが200から800米ドルかかる。
Soe Thura Win氏は、現在ヤンゴンの倉庫に保管されている家からの古いピアノで構成されるピアノコレクションを持っている。
「約20の古典ピアノがある。適切に動かなくても、高価なものもある。いくつかは近代ピアノと比較して非常に見た目が異なるものもある。私は日常的に会社を管理する必要がなくなった時、それらを全て修理し、販売はしない。これは私の将来の夢である」と彼は話した。
(Myanmar Times 2017年11月1日版 第8面より)