地下水を節約するための法案

ミャンマーの地下の水資源を保護するための法案が起草され、近い将来に法律として成立することが望まれていると建設省及び国家水資源委員会の顧問である U Ba Shwe氏は話してくれた。
 「私たちは都市大臣及び住宅開発部の指導の下2014年から政府の担当部署と専門家とともにこの法律の制定に取り組んできて、私たちは今この法律の7つ目の草稿のところにいる。これは内閣と連邦議会(the Hluttaw)に送られる。もし議会の審査委員会がこの法律が妥当であると判断した場合には 公に提議されます。私はすぐにそうなることを望んでいます。」と彼は日曜日に語った。
 1930年のビルマ地下水法が現在この問題を規律している法的規定ですが、これは適切に適用されておらず現在の状況を反映させるための多くの修正を必要としている、と U Ba Shwe氏は述べた。
 「英国政府はこの法律を地下水の持続的な利用を助けるために制定しました。」「彼らはまた水の使用の監視及びそれが環境を害しないことを確実にするための調査を経た後での地下水の汲み上げ許可証の発行を行なう水の管理官を指名しました。」と彼は述べた。
 1988年以降、ヤンゴン都市開発委員会(the YCDC)はもはや都市に対して十分な水を供給することができなかった。そのため、住民は無許可で管井戸を掘り始めた。
 「1930年法は優れた法律ではありますがその時代の政府のために設計されたもので、現状を反映した修正がなされるべきです。」とU Ba Shwe氏は語った。
 専門家は、特にヤンゴンのような、淡水資源への塩分の浸食の危険性がある三角地帯のうち急速な都市化が起きている場所での地下水の汲み上げを懸念している。
「高層住宅計画の多くは水の供給を管井戸に頼っている。私たちはまだ地下水の潜在量がどの程度なのか、汲み上げがどの程度続くのかといったことやヤンゴンの管井戸の水質について知りません。私たちはこの問題をそのままにしておくべきではありません。」とU Ba Shwe氏は語った。
 ヤンゴン都市開発委員会によれば、2018年の時点で、同委員会はヤンゴンの人々の約40%、または都市にいる520万人のうち約200万人のために水を供給している。
 ヤンゴン都市開発委員会によって日々届けられる2億100万ガロンの水のうち約60%が老朽化した供給設備のために失われている。担当部署によれば、損傷した計器や違法な接続、余分な接続が損失の一因となっているとのことであった。
 ヤンゴンの人口は2040年までに推定1,000万人に達するため、ヤンゴン都市開発委員会はそのときまでにその水の供給設備を都市の80%にまで拡張することを計画している。
 国家水資源顧問団議長のU Cho Cho氏は、地下水の消費は環境に悪影響を与える可能性があると述べた。
 彼は、サガイン地方のイエンヌマービン郡での持続可能性のない地下水の利用はこの地方の地下水資源の枯渇を引き起こすと語った
 「イエンマービンには堀抜井戸がある。この地方での農業のための大量の地下水の汲み上げは淡水の枯渇をもたらす。私は昨年そこを訪れたときにその影響を目の当たりにした。」と彼は日曜日に語った。
 地下水資源を保護するためには町の計画の中で帯水層の涵養を管理することもまた重要だと、彼は付け加えた。
 U Cho Cho氏は都市部の拡大により、ヤンゴンでの帯水層の活力は減少したと述べた。
 「帯水層が涵養されているごくわずかな地域への依存と大量の地下水の使用とは淡水の枯渇をもたらす。海に近いアロン地域やチミンダイン地域の管井戸では海水の浸食が起きている。」と彼は語った。
 地質学者の U Soe Thura Tun氏はミャンマータイムズに対し、あまりにも多くの水が井戸で汲み上げた場合や地下水の供給が人口の増加に追いつかなかった場合には、ヤンゴンの中心部で地盤沈下が起きる重大な危険性がありますと話してくれた。
 「ヤンゴン地下の土壌の地質は沈下の影響を受けやすい沖積土です。同じタイプの土壌はマンダレーの西部でもみつかりうるでしょう。」と彼は語った、
 ミャンマーには地盤沈下の監視を課された公式の政府機関はなく、それが国の一部で既に起こっているかどうかは誰も知らないと同氏は付け加えた。
 さらに、Sagaing地方のButalin郡とChaung Oo郡の大農園で無資格で地下水を使用していることは、農場の収穫高に影響を与えたと、U Cho Cho氏は述べた。
 彼は「地下水の塩分汚染はそういった農場での生産を減少させました」と言い、バングラデシュとインドでは地下水の砒素やフッ化物による汚染が人間の健康に及ぼす影響についての報告があると付け加えた。
 「地下水を使うつもりなら定期的に地下水の水質を調べることが重要だ。」と彼は語った。
 政府の新聞である グローバルニューライトオブミャンマーは、農業に基礎を置く国であるため、農業部門への水の利用は90%を占める一方で工業及び家庭内での使用は水の総使用量のうちたったの10%程度に過ぎないと伝える。
 国の水資源の使用量は潜在的な潜在量の約5%に過ぎない、と同紙は述べる。
 専門家はこの国の現在の地下水の使用量は危機的な水準に達していないと述べたが、この問題は将来のための計画において考慮されるべきである。
(Myanmar Times 2018年4月6日版 第5面より)